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2026.09.23

エホバの証人の輸血の一部解禁について│行政書士が解説【コラム】

2026年9月18日にエホバの証人が、これまで禁止されていた輸血(血液製剤の使用)を一部解禁する声明を出しました。これについて宗教脱会の専門家が解説します。

【この記事を読んでわかること】

・エホバの証人の輸血に対する考え方

・今回の輸血の一部解禁について

エホバの証人と輸血の関係

エホバの証人とは

エホバの証人は、1870年代にアメリカで始まった、キリスト教系の新興宗教団体です。キリスト教や聖書をベースとした宗教ではありますが、教団独自の聖書解釈などから、カトリックやプロテスタントなどからは『異端』とみなされることが多い団体です。その教義をかなり厳格に遵守する信仰生活を送る信者が多いことで知られています。

エホバの証人はなぜ輸血を禁止するのか?

その中でも、エホバの証人の信者は輸血をしないことで知られています。教団のホームページを見ても、『旧約聖書も新約聖書もはっきりと,血を避けるよう命じています。』と記載されていることから、現在においても輸血を教義的に良しとしていないことが分かります。

そもそもなぜ輸血をしないのかというと、聖書に「血を食べてはならない」と書かれており、これを解釈し、輸血もしてはならないとしているためです。

子どもへの輸血拒否の問題点

エホバの証人による輸血拒否は、医学や法学、生命倫理などの面で様々な議論を引き起こしてきました。

特に問題となっていたのが、子どもに対する輸血拒否です。

信者である成人が自らの信仰をもとに自身への輸血を拒否するのではなく、信者である親が、自身で信仰を選んだわけではない子どもに対し輸血をしないという判断をすることがあり、問題視されてきました。

1985年(昭和60年)には、川崎市でダンプカーに接触した小学5年生の子どもに対する輸血をエホバの証人の信者である両親が治療を拒否し、そのまま亡くなってしまうという事件が発生しました。

なお、厚生労働省の通知(宗教の信仰等を背景とする医療ネグレクトが疑われる事案への対応について )において、こうした子どもへの輸血拒否は、『重大な児童虐待事案に該当し得る』と明記されています。

今回の輸血の一部解禁について

エホバの証人の公式サイトでは、

「エホバの証人の統治体は金曜日、他の人の血液から得られる赤血球、白血球、血漿、血小板を受け入れるかどうかは、個人の良心に基づいて決定する事柄であると発表しました。」

と案内されています。

この声明では、『「赤血球・白血球・血漿・血小板」の4主要血液成分について、受け入れるかどうかを各信者の良心に委ねる』としています。

一方で、

「全血輸血に関する立場は変わらない」

ともしています。

とはいえ、現在においては輸血用血液製剤がほぼ100%を占め、全血製剤はほとんど医療現場で用いられていないため、事実上の輸血解禁と言えます。

問題点

『個人の良心の自由』という表現について

エホバの証人の統治体は個人の良心の自由としているものの、血を避けるべきとする方針は変わっておらず、長く続いてきた教義であるため、実際に信者が輸血を拒否するケースはこれからも存在すると考えられます。

これまでの方針との矛盾と混乱

エホバの証人の方針に従い、輸血を拒否し亡くなった方がいます。

宗教的信念に従い殉教したわけですが、教団が声明を出したことで矛盾が生じます。

特に遺族の方などの気持ちの整理は難しいものがあると思います。

元2世信者らの団体、「JW児童虐待被害アーカイブ」も、「特に子どもや若者の命を守るという観点から、過去の問題についての検証を行い、被害者への説明責任を果たすこと、ならびに賠償を含む対応を求めます。」という声明を出しています。

まとめ

今回のエホバの証人の対応はかなり大きなものです。

ただ、実際の信者の方や各長老がどのように判断するかは現時点では判断できず、医療現場での混乱なども予想されます。

また、エホバの証人の問題とされている点がすべて解決したわけではなく、今後の方針にも注目が必要です。

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【参考・引用記事】

・エホバの証人が輸血を事実上解禁 成分輸血容認、2世ら「拒否で死亡」の過去の清算求める

・エホバの証人が輸血を受け入れないのはなぜですか

・エホバの証人: 血液の主要成分を受け入れたり献血したりすることについては各自が決定

・宗教の信仰等を背景とする医療ネグレクトが疑われる事案への対応について

・輸血拒否に関するエホバの証人の方針変更について― 宗教 2 世の立場からの受け止めと今後の社会課題 ―

本記事執筆者

泉 翔嵐(いずみ つばさ)

フォンス行政書士事務所代表。

宗教脱会通知専門行政書士。

全国から宗教脱会に関する相談を受け付けている。
登録番号(日行連):26260887
会員番号(大阪会):009471

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