パソコン教室はクーリングオフできる?期間・条件は?行政書士が解説
パソコン教室はクーリングオフできる?期間・条件は?行政書士が解説

パソコン教室やオンライン講座を契約した後に、次のような理由で解約したいと考えることがあります。
高額な長期コースを契約してしまった
冷静に考えると支払いを続けるのが難しい
授業内容が自分のレベルに合わなかった
希望する曜日や時間帯に予約が取れない
説明されていた資格取得支援を受けられない
パソコン本体や教材も一緒に購入してしまった
クレジットの分割払いを契約してしまった
すでに授業を受けたが、やはり解約したい
パソコン教室は、特定商取引法上の「特定継続的役務提供」として明記されているサービスです。
次の条件を満たす契約は、原則として、法律で定められた契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリングオフできます。
パソコンやワープロの操作に関する知識・技術を教えるサービスである
契約期間が2か月を超えている
契約総額が5万円を超えている
パソコン教室の店舗へ自分から行って契約した場合や、インターネットからオンライン講座へ申し込んだ場合でも、これらの要件を満たせばクーリングオフの対象となる可能性があります。
訪問販売のように、突然勧誘されたことや、店舗外で契約したことは必要ありません。
一方、契約期間が2か月以下の場合や、契約総額が5万円以下の場合は、パソコン教室としての特定継続的役務提供には原則として該当しません。
パソコン教室をクーリングオフできる条件
パソコン教室の契約が特定継続的役務提供に該当するには、次の条件を満たす必要があります。
条件 | 内容 |
|---|---|
サービス内容 | パソコンやワープロの操作に関する知識・技術の教授 |
契約期間 | 2か月を超えること |
契約総額 | 5万円を超えること |
クーリングオフ期間 | 法定の契約書面を受け取った日から原則8日以内 |
注意したいのは、「2か月以上」ではなく、2か月を超える契約が対象となることです。
同様に、「5万円以上」ではなく、5万円を超える契約であることが必要です。
したがって、契約期間がちょうど2か月の場合や、契約総額がちょうど5万円の場合は、パソコン教室としての特定継続的役務提供には原則として該当しません。
ただし、訪問販売や電話勧誘販売など、別の取引類型に該当する場合は、期間や金額の条件を満たしていなくてもクーリングオフできる可能性があります。
クーリングオフの対象となるパソコン教室
特定商取引法上のパソコン教室には、パソコンやソフトウェアの操作に関する知識・技術を教えるさまざまな講座が含まれる可能性があります。
例えば、次のような講座です。
パソコン初心者向け講座
Wordの操作講座
Excelの操作講座
PowerPointの操作講座
Accessの操作講座
パソコン資格対策講座
MOS資格対策講座
タイピング講座
プログラミング講座
ウェブデザイン講座
ホームページ作成講座
CAD操作講座
動画編集ソフトの操作講座
画像編集ソフトの操作講座
会計ソフトの操作講座
パソコンを使った事務技能講座
「パソコン教室」「ITスクール」「デジタルスクール」「プログラミングスクール」など、サービスの名称だけで判断するものではありません。
実際に提供される内容が、パソコンやワープロの操作に関する知識・技術の教授に当たるかを確認します。
プログラミングスクールも対象になる?
プログラミングスクールも、パソコンの操作に関する知識・技術を教える契約として、パソコン教室に該当する可能性があります。
例えば、次のような内容です。
プログラミング言語の使用方法
開発環境の操作方法
ウェブサイトの作成方法
アプリケーションの作成方法
データベースの操作方法
コードの作成・修正方法
パソコンを用いたシステム開発の指導
ただし、すべてのプログラミングスクールが当然に対象となるわけではありません。
講座の中心が、起業指導、事業コンサルティング、案件紹介、転職支援などであり、パソコン操作の指導が付随的なものにすぎない場合は、パソコン教室に該当するかを個別に確認する必要があります。
契約書、カリキュラム、講義資料、広告などから、実際に何を教える契約なのかを確認してください。
ウェブデザイン・動画編集講座も対象になる?
ウェブデザイン、画像編集、動画編集などの講座も、パソコンやソフトウェアの操作方法を教えるものであれば、パソコン教室に該当する可能性があります。
例えば、次のような講座です。
Photoshopの操作講座
Illustratorの操作講座
動画編集ソフトの操作講座
ウェブサイト制作講座
HTML・CSSの講座
CADソフトの操作講座
3DCGソフトの操作講座
DTPソフトの操作講座
一方、デザイン理論、マーケティング、営業方法などの指導が中心で、パソコン操作の指導が一部にとどまる場合は、契約全体の中心的な内容を確認する必要があります。
資格試験対策講座も対象になる?
MOSなど、パソコン操作に関する資格試験の対策講座は、パソコン教室として対象になる可能性があります。
例えば、次のような講座です。
MOS試験対策
Word・Excelの技能検定対策
CAD利用技術者試験対策
パソコン操作に関する民間資格対策
ウェブ制作ソフトの資格対策
一方、ITパスポート、基本情報技術者、情報セキュリティなど、コンピューターに関係する資格であっても、講座内容が主に理論や知識の教授であり、パソコンの操作に関する知識・技術を教えるものではない場合があります。
「ITに関する資格だから対象」と一律に判断するのではなく、実際の指導内容を確認してください。
オンラインのパソコン教室もクーリングオフできます
パソコン教室の授業がオンラインで提供される場合でも、対象となる可能性があります。
特定継続的役務提供は、教室内で対面授業を行うものだけに限られません。
インターネット、電話、FAX、郵便などを利用して提供される役務も広く含まれます。
例えば、次のようなサービスです。
ビデオ通話によるマンツーマン指導
オンラインのグループ授業
講師による画面共有を用いた操作指導
録画講義と個別質問対応を組み合わせた講座
課題添削を含むプログラミング講座
オンライン面談を含むウェブデザイン講座
学習管理と講師指導を組み合わせたコース
ウェブサイトから自分で申し込んだ場合でも、契約内容がパソコン教室の特定継続的役務提供に該当すれば、クーリングオフできる可能性があります。
「オンライン申込みだから通信販売となり、クーリングオフできない」とは限りません。
動画教材を購入しただけの場合
録画された動画、電子書籍、ソフトウェアなどを買い切るだけで、継続的な指導やサポートがない場合は、パソコン教室ではなく、通常の通信販売となる可能性があります。
例えば、次のような契約です。
録画講義だけの買い切り
PDF教材だけの購入
DVD教材だけの購入
学習用ソフトウェアだけの購入
質問対応のない動画配信サービス
一方、録画教材に加えて、講師による質問対応、添削、面談、操作指導などが契約内容に含まれる場合は、契約全体の実質を確認する必要があります。
契約総額には入会金や教材費も含まれます
契約総額が5万円を超えるかどうかは、毎月の受講料だけで判断するものではありません。
一般に、契約に基づいて支払う金額を合計して確認します。
例えば、次のような費用です。
入会金
登録料
受講料
授業料
システム利用料
施設利用料
事務手数料
購入が必要な教材費
学習用ソフトウェアの代金
パソコン本体の代金
周辺機器の代金
資格試験対策教材の代金
例えば、月額受講料が2万円であっても、6か月間の契約であれば、受講料だけで総額12万円になります。
分割払いの場合も、毎月の支払額ではなく、契約全体として支払う金額を確認します。
「月々の支払いが5万円以下だから対象外」という説明は正確ではありません。
月謝制・サブスクリプション型のパソコン教室
月謝制やサブスクリプション型のパソコン教室では、契約期間がどのように定められているかが重要です。
長期の契約期間が定められている場合
支払いが毎月であっても、当初から6か月や1年間の契約期間が設定されている場合は、2か月を超える契約に該当する可能性があります。
例えば、次のような契約です。
1年間のコース料金を月払いにしている
最低6か月の受講が条件となっている
途中解約すると残期間分の受講料を請求される
長期契約を条件に受講料が割引されている
年間の授業回数が契約時に決められている
支払いが月払いであるというだけで、毎月独立した契約になるわけではありません。
毎月自由に解約できる場合
長期の契約期間がなく、1か月ごとに自由に解約できる契約は、原則として2か月を超える契約期間の条件を満たさない可能性があります。
ただし、形式上は月単位でも、次のような事情がある場合は契約の実質を確認する必要があります。
最低利用期間が設けられている
退会できる時期が限定されている
中途解約すると違約金が発生する
高額な教材購入が契約条件となっている
長期継続を前提とする入会金が設定されている
実際には年間カリキュラムへの参加が義務付けられている
契約書の「契約期間」「更新」「退会」「中途解約」の項目を確認しましょう。
回数券・ポイント制も対象になる場合があります
パソコン教室では、授業回数をチケットやポイントとして一括購入する契約があります。
例えば、次のような契約です。
50回分のレッスンチケット
100時間分の受講権
100ポイントの一括購入
有効期間6か月の講座
有効期間1年間のオンライン授業
回数券やポイントという名称であっても、パソコンの操作に関する知識・技術を教えるための契約であり、有効期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超える場合は、特定継続的役務提供に該当する可能性があります。
事業者から「授業ではなくポイントの購入なのでクーリングオフできない」と言われても、契約の名称だけで判断することはできません。
パソコン教室のクーリングオフ期間は8日以内
条件を満たすパソコン教室のクーリングオフ期間は、原則として8日以内です。
期間は、法律で定められた契約書面を受け取った日を1日目として数えます。
例えば、4月1日に適法な契約書面を受け取った場合は、原則として4月8日までに通知を発します。
契約書へ署名した日と、法定の契約書面を受け取った日が異なる場合は、単純に契約日から8日間を数えるとは限りません。
8日間には、土曜日、日曜日、祝日も含まれます。
最終日が休日であっても、当然に翌営業日まで延長されるわけではありません。
期限が迫っている場合は、内容証明郵便だけでなく、電子メールや事業者の専用フォームなど、直ちに発信できる方法も検討してください。
クーリングオフは期限内に発信すればよい
パソコン教室のクーリングオフは、書面または電子メール等の電磁的記録による通知を期限内に発した時に効力が生じます。
例えば、8日目に内容証明郵便を差し出し、パソコン教室へ配達されたのが9日目以降であっても、期限内に差し出したことを証明できれば、直ちに期間経過となるわけではありません。
電子メールや専用フォームで通知する場合は、次の記録を保存してください。
送信済みメール
送信日時
宛先
メール本文
添付ファイル
専用フォームの入力画面
送信完了画面
自動返信メール
スクリーンショット
電話だけでは、いつ、どのような内容を伝えたのかを後から証明しにくいため、電話だけで済ませないようにしましょう。
契約前の概要書面と契約後の契約書面
特定継続的役務提供に該当するパソコン教室では、事業者は契約者に対して、契約前と契約後に所定の書面を交付しなければなりません。
契約前の概要書面
契約を締結する前に、契約内容の概要を記載した書面を交付する必要があります。
主な記載事項は次のとおりです。
パソコン教室の名称・住所・電話番号
授業や講座の内容
契約期間
契約総額
支払時期・支払方法
クーリングオフに関する事項
中途解約に関する事項
購入が必要な商品
前受金の保全措置の有無
その他の特約
契約後の契約書面
契約締結後は、遅滞なく、契約内容を明らかにした書面を交付する必要があります。
契約書面には、次のような事項が記載されます。
コース名
授業内容
授業回数
契約期間
契約総額
支払方法
教材・パソコン等の内容と価格
クーリングオフの方法
中途解約時の精算方法
契約担当者
契約年月日
クーリングオフに関する事項については、赤枠内に赤字で記載するなど、法令上の形式が定められています。
また、文字や数字は8ポイント以上の大きさで記載する必要があります。
契約書を受け取っていない場合
法律で定められた契約書面を受け取っていない場合は、クーリングオフ期間が始まっていない可能性があります。
例えば、次のような場合です。
申込書へ署名したが控えを渡されていない
タブレット端末へ署名しただけである
クレジット契約書しか受け取っていない
パソコンの売買契約書しか受け取っていない
料金表やパンフレットしか受け取っていない
決済完了メールしか届いていない
利用規約のURLだけが送られている
契約書を後日送ると言われたまま届いていない
ただし、「契約書」という名称の紙を受け取っていなくても、電子メールに添付されたPDFなどが適法な契約書面に該当する場合があります。
受信メール、迷惑メールフォルダ、会員ページ、電子契約サービスなども確認してください。
契約書面に不備がある場合
契約書面を受け取っていても、法律上必要な事項が欠けている場合や、法令上の形式を満たしていない場合は、適法な書面を受け取ったとは認められない可能性があります。
例えば、次のような不備です。
クーリングオフに関する記載がない
中途解約に関する記載がない
契約期間が記載されていない
契約総額が明確でない
授業内容や回数が明確でない
教材費やパソコン代が記載されていない
事業者の名称や住所が記載されていない
クーリングオフ期間が法律より短く記載されている
クーリングオフの記載が赤字・赤枠になっていない
文字が極端に小さい
電子交付の要件を満たしていない
法定書面と認められない程度の不備がある場合は、8日間のクーリングオフ期間が進行していない可能性があります。
ただし、軽微な誤記が一つあるというだけで、当然に契約書面全体が無効となるわけではありません。
不備の内容と程度を個別に確認する必要があります。
すでに授業を受けてもクーリングオフできます
クーリングオフ期間内であれば、すでにパソコン教室の授業を受けたという理由だけで、当然にクーリングオフできなくなるわけではありません。
適法にクーリングオフした場合は、原則として次の効果が生じます。
受講済み授業の料金を支払う必要がない
解約手数料を支払う必要がない
違約金や損害賠償を支払う必要がない
支払済みの金銭は速やかに返還される
将来の授業料を支払う必要がなくなる
対象となる関連商品も併せて解除できる
パソコン教室から次のように言われても、それだけでクーリングオフできなくなるわけではありません。
「初回授業を受けたので解約できない」
「会員登録が完了したので返金できない」
「学習システムへログインしたので解約できない」
「教材を受け取ったので解除できない」
「パソコンの初期設定をしたので返品できない」
「クレジット審査が通ったのでキャンセルできない」
「自分から店舗へ来たのでクーリングオフできない」
パソコンや教材も一緒にクーリングオフできる場合があります
パソコン教室の契約と同時に、授業を受けるための商品を購入することがあります。
パソコン教室については、主に次の商品が関連商品として指定されています。
パソコン
ワードプロセッサー
パソコンやワープロの部品・付属品
書籍・教材
CD、CD-ROM、DVDその他の記録媒体
パソコン教室の授業を受けるために購入する必要がある商品であれば、本体となるパソコン教室の契約と併せてクーリングオフできる可能性があります。
例えば、次のような場合です。
教室指定のパソコンを購入しなければ受講できない
授業で使用するパソコンをセットで購入した
指定教材を一括購入する必要があった
学習用DVDやCD-ROMを購入させられた
教室が指定した別会社から機器を購入した
パソコン購入と授業が一つの契約として案内された
販売会社がパソコン教室とは別会社であっても、教室が販売を代理・媒介していた場合や、授業契約と商品購入が実質的に一体となっている場合は、関連商品として扱われる可能性があります。
自分で選んだパソコンは関連商品になる?
パソコン教室の受講者が、一般の家電量販店や通販サイトで自由に選んで購入したパソコンは、通常、パソコン教室の関連商品には当たりません。
関連商品として扱われるには、一般に、パソコン教室のサービスを受けるために購入する必要があるものとして販売されていることが重要です。
次の事項を確認してください。
教室から購入を義務付けられたか
特定の機種を指定されたか
教室が販売または販売を仲介したか
パソコンを購入しなければ受講できなかったか
授業契約と同時に説明・契約されたか
パソコン代が契約総額に組み込まれているか
単に「授業を受けるために自分の判断で購入した」というだけでは、関連商品に当たらない可能性があります。
パソコンを使用・初期設定した場合
購入したパソコンの電源を入れた、初期設定をした、ソフトウェアをインストールしたという場合でも、それだけでパソコン教室の契約全体をクーリングオフできなくなるわけではありません。
パソコンは、使用すれば価値がほとんどなくなる消耗品として指定されている商品ではありません。
そのため、関連商品に該当する場合は、原則としてクーリングオフによる返品の対象となります。
ただし、次のような事情については確認が必要です。
パソコンに傷や破損がある
部品や付属品を紛失した
改造した
データを保存した
ソフトウェアのライセンスを有効化した
教室とは無関係に長期間使用した
クーリングオフを検討している場合は、パソコンや付属品を廃棄・売却せず、返還できる状態で保管してください。
8日を過ぎても中途解約できます
パソコン教室が特定継続的役務提供に該当する場合、8日間のクーリングオフ期間を過ぎた後でも、契約期間中であれば将来に向かって中途解約できます。
中途解約に特別な理由は必要ありません。
例えば、次のような理由でも中途解約できます。
仕事が忙しくなった
通学する時間がなくなった
授業内容が合わない
講師との相性が合わない
予約が取れない
資格取得の必要がなくなった
転居した
経済的に支払いが難しくなった
他のスクールへ移りたい
就職や転職の予定が変わった
ただし、中途解約では、クーリングオフとは異なり、すでに提供された授業の対価と、法定上限内の解約損料を請求される場合があります。
パソコン教室の中途解約で請求される金額の上限
授業開始前に解約した場合
授業が始まる前に中途解約した場合、パソコン教室が請求できる金額は、契約の締結と履行のために通常必要となる費用の範囲内で、上限は1万5,000円です。
1万5,000円は、事業者が当然に請求できる定額の解約金ではありません。
実際に通常必要となる費用がこれより少ない場合は、実際の費用を超えて請求できるわけではありません。
契約書に次のような記載があっても、法定上限を超える金額を当然に請求できるものではありません。
入会金は一切返金しない
契約後の解約料は5万円
システム登録費として10万円を請求する
授業開始前でも受講料の30%を請求する
授業開始後に解約した場合
授業開始後に中途解約した場合、パソコン教室が請求できる金額の上限は、次の合計額です。
すでに提供された授業の対価
5万円または契約残額の20%のいずれか低い金額
契約残額とは、契約した授業の対価の総額から、すでに提供された授業の対価を差し引いた金額です。
例えば、未提供分の授業料が20万円である場合、その20%は4万円です。
この場合、5万円と4万円のうち低い4万円が、解約損料の上限となります。
すでに提供された授業の対価は、これとは別に精算されます。
中途解約の計算例
例えば、次のパソコン教室契約を授業開始後に中途解約するとします。
契約した授業の総額:30万円
提供済み授業の対価:10万円
契約残額:20万円
解約損料の上限は、次のうち低い金額です。
5万円
契約残額20万円の20%である4万円
したがって、解約損料の上限は4万円となります。
パソコン教室が請求できる金額の上限は、原則として次の合計14万円です。
提供済み授業の対価:10万円
解約損料:4万円
すでに30万円を支払っている場合は、原則として16万円が返還対象となります。
ただし、教材、パソコン、入会金、クレジット手数料などがある場合は、契約書面と実際の提供状況に応じて個別に確認する必要があります。
入会金・登録料は必ず返金されない?
パソコン教室では、次のような初期費用が設定されることがあります。
入会金
登録料
システム設定費
アカウント発行費
カウンセリング費
レベルチェック費
教材作成費
しかし、費用の名称を「入会金」「登録料」とすれば、中途解約時に全額を当然に受け取れるわけではありません。
特定継続的役務提供の中途解約では、事業者が請求できる金額に法律上の上限があります。
実際に提供された役務の対価として合理的に説明できる費用については、精算対象となる可能性があります。
その場合でも、次の事項を確認する必要があります。
費用の具体的な内容
契約書面に記載されているか
実際にその業務が行われたか
金額に合理的な根拠があるか
中途解約時に請求することが事前に明示されているか
単に「入会金は理由を問わず返金しない」と定める特約が、常にそのまま有効になるわけではありません。
受講済み授業を高額な通常価格で計算された場合
パソコン教室を中途解約すると、受講済み授業について、契約時の割引単価ではなく、高額な通常価格で計算されることがあります。
例えば、次のような計算です。
契約時は1回5,000円だった
中途解約時は通常価格1回1万円で計算された
受講済み分が高額になり、返金額がほとんどなくなった
しかし、事業者が解約時だけ高額な単価を適用し、中途解約制度を実質的に利用できなくすることは認められない可能性があります。
提供済み授業の対価は、契約締結時に定められた単価や精算方法に基づいて合理的に計算する必要があります。
次の資料を確認してください。
契約時の授業単価
通常価格
長期契約割引の条件
中途解約時の精算方法
受講済み時間・回数
キャンセル扱いとなった授業
入会金や教材費の扱い
ポイントの消化記録
返金額や精算方法について事業者と争いが生じている場合は、弁護士や消費生活センターへ相談してください。
事業目的の契約は対象外となる場合があります
特定商取引法は、営業のため、または営業として締結された契約には適用されない場合があります。
例えば、次のような契約です。
会社が従業員研修として契約した
事業者が業務用ソフトの操作研修を契約した
法人名義で社員向けのパソコン講座を契約した
既存事業のために専門ソフトの研修を受けた
一方、個人が就職・転職の準備や一般的な技能習得のために契約した場合は、将来仕事に生かす予定があるというだけで、当然に事業目的の契約となるわけではありません。
次の事項を総合的に確認する必要があります。
契約者が個人か法人か
現在行っている事業との関係
契約名義
費用を誰が負担しているか
講座を受講する目的
事業者としての取引経験
契約書に「事業者として契約する」と記載されているだけで、直ちに適用除外となるとは限りません。
クレジット会社・信販会社にも通知しましょう
パソコン教室の受講料やパソコン購入代金について、信販会社の個別クレジットやショッピングローンを利用している場合は、パソコン教室だけでなく、信販会社にもクーリングオフしたことを通知しましょう。
確認すべき事項は次のとおりです。
パソコン教室の名称
契約年月日
コース名
契約総額
パソコン等の販売会社
信販会社名
クレジット契約番号
支払回数
毎月の支払額
既払金
パソコン教室との受講契約をクーリングオフしても、信販会社側の請求処理が直ちに停止されるとは限りません。
パソコン教室、商品販売会社、信販会社へそれぞれ通知し、請求停止や返金処理を確認してください。
通常のクレジットカード払いの場合は、カード会員契約そのものをクーリングオフするのではなく、パソコン教室との契約を解除したことをカード会社へ知らせます。
パソコン教室が閉鎖・倒産した場合
パソコン教室が突然閉鎖した、講師がいなくなった、オンラインサービスへログインできなくなったという場合は、通常のクーリングオフや自己都合の中途解約とは異なる問題になります。
契約どおりの授業を受けられない場合は、債務不履行を理由とする解除や、未提供分の返金が問題になる可能性があります。
クレジット契約を利用している場合は、一定の条件を満たせば、信販会社に対して今後の支払いを拒む制度を検討できることがあります。
次の資料を保存してください。
契約書
概要書面
支払明細
受講履歴
予約画面
閉鎖・休業のお知らせ
教室との電子メールやLINE
商品の売買契約書
信販会社との契約書
パソコン教室が連絡不能となっている場合は、消費生活センターや弁護士への相談も検討してください。
パソコン教室のクーリングオフ方法
クーリングオフは、書面または電子メール等の電磁的記録によって通知します。
通知書には、一般に次の事項を記載します。
契約年月日
パソコン教室の名称
コース名
契約期間
契約金額
契約を解除する旨
通知年月日
契約者の住所・氏名
支払済み代金の返還に関する事項
パソコンや教材の返還に関する事項
クレジット契約に関する事項
会員番号や契約番号
内容証明郵便で通知するメリット
パソコン教室のクーリングオフは、必ず内容証明郵便で行う必要はありません。
電子メール、ハガキ、特定記録郵便、事業者の専用フォームなどでも通知できます。
それでも、次のような場合は、配達証明付き内容証明郵便を利用するメリットがあります。
契約金額が高額である
パソコンや高額教材も購入している
長期のクレジット契約を利用している
パソコン教室と商品販売会社が異なる
契約書面に不備がある可能性がある
パソコン教室から解約を拒否されるおそれがある
後から通知日や通知内容を争われる可能性がある
内容証明郵便を利用すると、いつ、誰から誰へ、どのような内容の文書を差し出したかを証拠として残せます。
ただし、内容証明郵便は、クーリングオフが法的に有効であることや、通知書に記載した事実が真実であることまで証明する制度ではありません。
期限が迫っている場合は、内容証明郵便の準備だけに時間をかけず、電子メール等でも期限内に通知し、送信記録を保存してください。
パソコン教室の通知書作成を行政書士へ依頼するメリット
パソコン教室の契約では、受講契約、パソコンや教材の売買契約、信販会社とのクレジット契約などが組み合わされていることがあります。
行政書士へ依頼すれば、ご本人の意思に基づき、契約内容を特定したクーリングオフ通知書を作成できます。
複数の契約を整理して通知できる
パソコン教室、商品販売会社、信販会社など、契約の相手方と契約内容を整理して通知書へ反映します。
契約内容を通知書へ正確に反映できる
契約年月日、コース名、契約期間、契約総額、商品名、クレジット契約などを確認して文案を作成します。
内容証明郵便の形式を整えられる
文字数や行数など、内容証明郵便の形式に合わせて通知書を作成します。
発送まで任せられる
フルサポートプランでは、内容証明郵便の発送、配達証明の利用、謄本等の整理まで対応します。
フォンス行政書士事務所の料金
作成・発送代行フルサポートプラン:11,000円(税込)
通知書の作成から内容証明郵便の発送まで対応します。
契約書等の確認
通知書の文案作成
2回までの無料修正
ご本人による内容確認
行政書士が作成者として記名・職印を付した通知書の作成
内容証明郵便の発送代行
配達証明の利用
謄本と配達証明の整理
郵送料は別途必要です。
パソコン教室のほか、商品販売会社、信販会社、クレジット会社等にも送付する場合は、追加の送付先1社につき5,500円(税込)の文案作成費が必要です。
代表者・執筆者紹介

フォンス行政書士事務所
代表者・執筆者:行政書士 泉 翔嵐(いずみ つばさ)
パソコン教室は、特定商取引法上の特定継続的役務提供として明記されているサービスです。
パソコンやワープロの操作に関する知識・技術を教える契約で、契約期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超える場合は、原則8日以内のクーリングオフが認められます。
フォンス行政書士事務所では、ご本人から伺った情報と契約書等をもとに、クーリングオフ通知書を作成します。
全国対応で、初回相談は無料です。
行政書士が対応できないケース
行政書士が対応できるのは、ご本人の意思に基づく通知書の作成と発送です。
次のような場合は、弁護士へ相談してください。
パソコン教室がクーリングオフを明確に拒否している
パソコン教室の法定類型に該当するか争いがある
パソコン等が関連商品に該当するか争いがある
契約期間や契約総額について争いがある
返金額について交渉が必要である
中途解約時の精算額を争っている
受講済み授業の単価について争いがある
パソコン教室が閉鎖・倒産している
損害賠償を請求したい
訴訟や調停への対応が必要である
パソコン教室のクーリングオフについてよくある質問
パソコン教室は必ずクーリングオフできますか?
必ずではありません。
パソコンやワープロの操作に関する知識・技術の教授であり、契約期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超えることが原則的な条件です。
自分から店舗へ行って契約しました
自分から店舗へ行って契約した場合でも、特定継続的役務提供の条件を満たせばクーリングオフできます。
不意打ち的な勧誘を受けたことは必要ありません。
契約期間がちょうど2か月です
パソコン教室としての特定継続的役務提供は、契約期間が2か月を超えるものが対象です。
ちょうど2か月の場合は、原則として期間要件を満たしません。
契約総額がちょうど5万円です
契約総額が5万円を超えることが必要です。
ちょうど5万円の場合は、原則として金額要件を満たしません。
プログラミングスクールも対象ですか?
パソコンの操作に関する知識・技術を教える講座であれば、対象となる可能性があります。
起業支援や案件紹介が中心の場合などは、契約内容を個別に確認する必要があります。
オンライン講座も対象ですか?
インターネットを用いて提供されるパソコン操作の指導も、契約期間・金額の条件を満たせば対象になる可能性があります。
動画を見るだけの講座も対象ですか?
動画教材を買い切るだけで、継続的な指導やサポートがない場合は、通常の通信販売となる可能性があります。
講師による指導、添削、質問対応などがある場合は、契約全体の内容を確認します。
すでに授業を受けました
対象契約でクーリングオフ期間内であれば、授業を受けたという理由だけでクーリングオフできなくなるわけではありません。
パソコンも一緒に購入しました
教室の授業を受けるために購入が必要だったパソコンは、関連商品として本体契約と併せてクーリングオフできる可能性があります。
パソコンを初期設定しました
初期設定や使用をしたというだけで、当然にクーリングオフできなくなるわけではありません。
商品の状態や関連商品への該当性を確認する必要があります。
8日を過ぎています
特定継続的役務提供に該当する場合は、クーリングオフ期間後も契約期間中であれば中途解約できます。
中途解約の違約金はいくらですか?
授業開始前は、契約締結等に通常必要な費用として1万5,000円が上限です。
授業開始後は、提供済み授業の対価に加え、5万円または契約残額の20%のいずれか低い金額が上限となります。
仕事で使うために契約しました
営業のため、または営業として締結された契約は、特定商取引法の適用対象外となる場合があります。
一方、個人が就職・転職の準備として受講する場合は、直ちに事業目的の契約となるわけではありません。
信販会社にも通知するべきですか?
個別クレジットやショッピングローンを利用している場合は、パソコン教室、商品販売会社、信販会社等へそれぞれ通知することをおすすめします。
行政書士に返金交渉も依頼できますか?
できません。
行政書士が対応できるのは、ご本人の意思に基づく通知書の作成と発送です。
返金額や中途解約時の精算について交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。
パソコン教室は2か月超・5万円超ならクーリングオフできます
パソコン教室は、特定商取引法上の特定継続的役務提供として明記されています。
次の条件を満たす場合は、原則としてクーリングオフの対象となります。
パソコンやワープロの操作に関する知識・技術を教えるサービスである
契約期間が2か月を超えている
契約総額が5万円を超えている
適法な契約書面を受け取った日から8日以内である
Word、Excel、プログラミング、ウェブデザイン、CAD、動画編集などの講座も、実際の指導内容によっては対象となる可能性があります。
店舗型の教室だけでなく、インターネット等を用いたオンライン講座も対象になり得ます。
また、8日間のクーリングオフ期間を過ぎた場合でも、契約期間中であれば将来に向かって中途解約できます。
まずは次の事項を確認してください。
講座の内容
契約期間
契約総額
法定の契約書面を受け取った日
受講済み授業の回数
パソコンや教材購入の有無
商品販売会社の名称
クレジット契約の有無
中途解約時の精算方法
個人目的か事業目的か
フォンス行政書士事務所では、ご本人の意思に基づくパソコン教室のクーリングオフ通知書について、作成・発送代行を行っています。
作成・発送代行フルサポートプラン:11,000円(税込)
全国対応
初回相談無料
契約書、概要書面、パソコンや教材の売買契約書、クレジット契約書などを添えてご相談ください。