自己啓発セミナーはクーリングオフできる?期間・条件は?行政書士が解説
自己啓発セミナーはクーリングオフできる?期間・条件は?行政書士が解説

自己啓発セミナー、能力開発講座、リーダー研修、コミュニケーション講座などを契約した後、「冷静に考えると必要なかった」「高額な上位コースまで契約してしまった」と後悔することがあります。
結論として、自己啓発セミナーという名称だけでは、特定商取引法上のクーリングオフは原則として認められません。
自己啓発セミナーは、通常、特定商取引法が定める「特定継続的役務提供」には含まれないためです。
消費者が広告を見て自分から申し込んだ場合や、販売目的を理解したうえで通常の会場・事務所へ行って契約した場合は、原則としてクーリングオフの対象外です。
ただし、次のような場合は、別の取引類型としてクーリングオフできる可能性があります。
セミナーの販売目的を告げられずに呼び出された
食事、交流会、相談などを装って勧誘された
カフェやホテルのラウンジなどで契約した
無料体験会の後、その場で高額契約を勧められた
電話でセミナー契約を勧められた
受講後に仕事や案件を提供すると説明された
他の参加者を紹介すると報酬を得られる仕組みだった
これらの場合は、訪問販売、アポイントメントセールス、電話勧誘販売、業務提供誘引販売取引、連鎖販売取引などに該当する可能性があります。
クーリングオフ期間は、取引の種類により原則8日または20日です。
「自己啓発セミナーだからクーリングオフできない」と即断せず、勧誘を受けた経緯、契約場所、収入や紹介報酬に関する説明などを確認しましょう。
フォンス行政書士事務所では、ご本人の意思に基づくクーリングオフ通知書の作成と発送代行に全国対応しています。初回相談は無料です。
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自己啓発セミナーとは
自己啓発セミナーとは、一般に、考え方、行動習慣、対人関係、仕事への姿勢などを改善することを目的とする講座や研修をいいます。
例えば、次のような名称で提供されています。
自己啓発セミナー
能力開発セミナー
人間力向上講座
リーダーシップ研修
コミュニケーション講座
コーチングプログラム
マインドセット講座
成功哲学セミナー
潜在能力開発講座
目標達成プログラム
モチベーション研修
メンタルトレーニング
スピリチュアル講座
経営者育成プログラム
高額な合宿型研修
「自己啓発セミナー」という名称は、法律上の正式な取引類型ではありません。
そのため、クーリングオフの可否は名称ではなく、勧誘方法や契約内容から判断します。
自己啓発セミナーは原則としてクーリングオフの対象外
特定商取引法上のクーリングオフは、すべての商品やサービスに認められる制度ではありません。
自己啓発セミナーを、消費者が広告や公式サイトを見て自ら申し込んだ場合は、通常、通信販売や一般的な店舗契約となります。
例えば、次のような場合です。
ウェブ広告を見て自分から申し込んだ
セミナーの公式サイトから決済した
開催内容や料金を確認して会場へ行った
有料セミナーであることを理解して参加した
自分から個別相談を予約して契約した
オンライン講座を比較して購入した
販売者と話さずにウェブ上で申込みを完了した
このような通常の契約には、特定商取引法上のクーリングオフ制度は原則としてありません。
「受講してみたが合わなかった」「家族に反対された」「金額が高いと感じた」という理由だけで、当然に無条件解除できるわけではありません。
解約できるかどうかは、契約書、利用規約、中途解約条項、返金保証などを確認することになります。
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自己啓発セミナーは特定継続的役務提供に含まれないのが原則
特定商取引法は、長期間かつ高額になりやすい一定のサービスを「特定継続的役務提供」として規制しています。
対象となるのは、次の7種類です。
エステティック
一定の美容医療
語学教室
家庭教師
学習塾
パソコン教室
結婚相手紹介サービス
法律上の期間・金額の条件を満たす場合は、店舗で契約した場合でも、原則8日以内のクーリングオフが認められます。
一方、一般的な自己啓発セミナー、能力開発講座、コーチングプログラムなどは、通常、この7種類には含まれません。
そのため、次のような事情があるだけでは、特定継続的役務提供としてクーリングオフできるとは限りません。
契約期間が長い
受講料が高額である
複数回の講座がある
個別指導が付いている
オンライン講義がある
コーチや講師が継続的に指導する
高額・長期間の契約だから自動的にクーリングオフ対象になるわけではありません。
ただし、名称が自己啓発セミナーであっても、サービスの実質が語学教室や結婚相手紹介サービスなどに該当する場合は、別途検討が必要です。
アポイントメントセールスならクーリングオフできる可能性があります
自己啓発セミナーの契約でも、販売目的を告げられずに店舗、事務所、セミナー会場などへ呼び出された場合は、アポイントメントセールスとして訪問販売に該当する可能性があります。
アポイントメントセールスとは、電話、電子メール、SNSなどを利用して、契約の勧誘が目的であることを明らかにしないまま消費者を呼び出し、商品やサービスを契約させる販売方法です。
例えば、次のようなケースです。
「悩みの相談に乗る」と言われた
「人生を変えた人を紹介する」と言われた
「成功者の話を聞かないか」と誘われた
「交流会へ参加しよう」と誘われた
「食事をしながら将来について話そう」と言われた
「無料の適性診断を受けられる」と言われた
「特別な体験会へ招待する」と言われた
「あなただけに大切な話がある」と呼び出された
このような目的で呼び出され、その後、高額な自己啓発セミナーや能力開発プログラムを勧められた場合は、契約場所が事業者の店舗や事務所であっても、訪問販売に該当する可能性があります。
訪問販売に該当すれば、原則として、法律で定められた契約書面を受け取った日から8日以内にクーリングオフできます。
SNSやマッチングアプリによる呼出し
呼出しの方法は、電話や郵便に限られません。
次のような方法も対象になり得ます。
LINE
InstagramのDM
XなどのSNS
マッチングアプリ
SMS
電子メール
友人関係、恋愛関係、仕事上の交流などを装って接触し、後から自己啓発セミナーへ勧誘するケースもあります。
相手とのメッセージ、プロフィール、通話履歴などを削除せずに保存してください。
販売目的を告げられていた場合
会う前から、自己啓発セミナーの契約を勧める目的であることを明確に説明されていた場合は、アポイントメントセールスに該当しない可能性があります。
例えば、次のような説明です。
「有料セミナーへの参加を勧めたい」
「高額な能力開発プログラムについて説明したい」
「コーチング契約の営業をしたい」
「上位コースへの入会を案内したい」
ただし、アポイントメントセールスに当たらなくても、契約場所や収益構造によって、別の取引類型に該当する可能性があります。
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セミナー会場で契約した場合
自己啓発セミナーは、ホテルの会議室、レンタルスペース、貸し会議室などで開催されることがあります。
その場で高額な上位コースや継続プログラムを契約した場合、契約場所の実態によっては訪問販売に該当する可能性があります。
例えば、次のような場所です。
ホテルの会議室
レンタルスペース
貸し会議室
カフェ
飲食店
ホテルのラウンジ
一時的に借りたイベント会場
講師や勧誘者の自宅
マンションの一室
ただし、セミナー会場で契約したというだけで、必ず訪問販売になるわけではありません。
事業者がその場所で継続的に営業しているか、販売のための設備を備えているか、開催期間や営業実態がどうなっているかなどによって判断が異なります。
また、最初から有料契約の説明会であることを理解して参加したのか、単なる無料体験会だと思って参加したのかも重要です。
カフェやホテルで契約した場合
カフェ、ホテルのラウンジ、飲食店などで契約した場合は、事業者の通常の営業所等以外の場所における契約として、訪問販売に該当する可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
無料セミナー後にカフェへ移動して契約した
個別相談としてホテルのラウンジへ呼び出された
講師と食事をした後に高額コースを勧められた
交流会の途中で契約書を出された
カフェで長時間にわたり入会を迫られた
訪問販売に該当する場合は、原則8日以内にクーリングオフできます。
もっとも、単にカフェで説明を聞いたというだけではなく、どこで申込みや契約が成立したのか、どのような経緯でその場所へ行ったのかを確認する必要があります。
電話勧誘販売なら原則8日以内
事業者や勧誘担当者から電話をかけてきて、自己啓発セミナーへの参加を勧誘された場合は、電話勧誘販売に該当する可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
無料体験へ参加した後、営業電話がかかってきた
資料請求後に高額コースを勧められた
過去の参加者に上位プログラムを電話で勧めた
電話で長時間にわたり契約を迫られた
通話中に電子契約書を送られた
電話の後、案内されたウェブサイトから申し込んだ
電話による勧誘を受けた後、ウェブサイトや電子メールから申し込んだ場合も、電話勧誘販売に該当する可能性があります。
電話勧誘販売に該当すれば、原則として、法律で定められた契約書面を受け取った日から8日以内にクーリングオフできます。
一方、広告を見た消費者が自分から電話をかけ、通常の申込み手続きだけを行った場合は、原則として電話勧誘販売には該当しません。
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仕事や収入を提供すると説明された場合は20日以内の可能性があります
自己啓発セミナーを受講すれば、主催者から仕事や業務を提供してもらい、収入を得られると説明された場合は、業務提供誘引販売取引に該当する可能性があります。
業務提供誘引販売取引とは、仕事によって利益を得られると消費者を誘い、その仕事を行うために商品購入やサービス契約などの金銭負担を求める取引です。
例えば、次のようなケースです。
セミナー修了後に講師の仕事を提供すると言われた
コーチ資格を取得すれば顧客を紹介すると言われた
認定講師になれば講演の仕事を依頼すると言われた
営業研修後に営業案件を提供すると説明された
指定講座を受講すれば業務委託契約を結ぶと言われた
セミナー運営の仕事を紹介すると言われた
受講後にカウンセリング業務を提供すると言われた
業務提供誘引販売取引に該当する場合、クーリングオフ期間は原則20日です。
単に「成功できる」と言われただけでは足りない場合があります
自己啓発セミナーでは、次のような説明がされることがあります。
収入が上がる
仕事で成功できる
経営者になれる
人生が変わる
営業成績が伸びる
しかし、一般的な能力向上や成功の可能性を説明しただけでは、当然に業務提供誘引販売取引になるわけではありません。
販売者が具体的な仕事を提供またはあっせんし、その仕事から利益を得られることを示しているかが重要です。
広告、契約書、説明会資料、LINE、録音などを保存してください。
他の参加者を紹介すると報酬を得られる場合
自己啓発セミナーへ参加した後、他の人を勧誘すると紹介料や報酬を得られる仕組みになっている場合は、連鎖販売取引に該当する可能性があります。
例えば、次のような仕組みです。
友人をセミナーへ入会させると紹介料を得られる
新規会員を増やすと報酬が上がる
紹介した会員がさらに人を紹介すると報酬を得られる
講座を販売すれば手数料が支払われる
認定講師や代理店になるために受講料が必要である
組織を拡大すると継続収入を得られる
他人を勧誘することによる利益が示され、組織へ参加するために受講料、登録料、教材費などの金銭負担がある場合は、連鎖販売取引に該当する可能性があります。
連鎖販売取引のクーリングオフ期間は原則20日です。
「自己啓発団体」「コミュニティ」「認定講師制度」などの名称ではなく、紹介報酬と金銭負担の実態から判断します。
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自己啓発セミナーのクーリングオフ期間
自己啓発セミナーの契約が特定商取引法上の取引類型に該当する場合、期間は次のようになります。
該当する可能性のある取引 | 原則的な期間 |
|---|---|
アポイントメントセールス・訪問販売 | 8日以内 |
電話勧誘販売 | 8日以内 |
業務提供誘引販売取引 | 20日以内 |
連鎖販売取引 | 20日以内 |
通常の店舗契約・通信販売 | 原則としてクーリングオフなし |
期間は、原則として、法律で定められた契約書面を受け取った日を1日目として数えます。
単純に契約日や受講開始日から数えるとは限りません。
連鎖販売取引で商品購入も伴う場合は、契約書面を受け取った日より、最初に商品を受け取った日の方が後であれば、商品の受領日が起算日となることがあります。
契約書を受け取っていない場合
クーリングオフ対象となる取引について、法律で定められた契約書面を受け取っていない場合は、クーリングオフ期間が始まっていない可能性があります。
例えば、次のような場合です。
口頭で説明を受けただけである
申込フォームへ入力しただけである
領収書しか受け取っていない
利用規約のURLしか送られていない
電子契約へ署名したが控えが届いていない
契約内容を記載したPDFが届いていない
契約書は後日送ると言われたまま届いていない
ただし、「契約書」という名称の書面がなくても、契約内容確認書、電子メール、PDFなどが法定書面に該当する場合があります。
受信メール、迷惑メールフォルダ、会員ページ、ダウンロード履歴なども確認してください。
契約書面に不備がある場合
書面を受け取っていても、法律上必要な事項が記載されていない場合は、適法な法定書面を受け取ったとは認められない可能性があります。
例えば、次のような不備です。
クーリングオフに関する説明がない
事業者の名称や住所が記載されていない
セミナーの内容が特定されていない
契約金額が明確でない
開催期間や回数が記載されていない
支払方法が記載されていない
仕事や報酬の条件が明確でない
紹介報酬の仕組みが記載されていない
法律より短いクーリングオフ期間が記載されている
電子交付の要件を満たしていない
法定書面と認められない程度の不備がある場合は、クーリングオフ期間が進行していない可能性があります。
ただし、軽微な誤記があるだけで、当然に契約書面全体が無効になるとは限りません。
不備の内容と程度を個別に確認する必要があります。
セミナーを受講した後でもクーリングオフできる?
訪問販売、電話勧誘販売、業務提供誘引販売取引、連鎖販売取引などに該当し、期間内であれば、すでにセミナーの一部を受講したという理由だけで、当然にクーリングオフできなくなるわけではありません。
事業者から次のように言われることがあります。
「一度受講したので返金できない」
「講義資料を受け取ったので解約できない」
「会員サイトへログインしたのでクーリングオフできない」
「オンライン動画を見たので契約解除できない」
「合宿へ参加したので返金できない」
しかし、法律上クーリングオフが認められる契約について、事業者独自の規約によって消費者の権利を制限することはできません。
一方、通常の店舗契約や通信販売であり、クーリングオフ対象外である場合は、受講状況や契約上の返金規定が解約の可否に影響します。
強引な勧誘だけでクーリングオフできるとは限りません
自己啓発セミナーでは、参加者の感情を強く動かした状態で契約を勧めるケースがあります。
例えば、次のような勧誘です。
長時間にわたり契約を勧められた
複数人に囲まれて契約を迫られた
大勢の前で参加を決断するよう求められた
「今決断できない人は変われない」と言われた
「参加しないと一生成功できない」と言われた
「今日だけの特別価格」と急かされた
消費者金融やカードローンを案内された
その場で借入手続きをするよう指示された
しかし、強引な勧誘があったというだけで、クーリングオフ対象外の契約に新たなクーリングオフ権が生じるわけではありません。
まず、訪問販売、電話勧誘販売、業務提供誘引販売取引、連鎖販売取引などに該当するかを確認します。
一方、具体的な勧誘内容によっては、消費者契約法や民法上の取消しを検討できる場合があります。
クーリングオフできなくても取消しを検討できる場合
通常の店舗契約や通信販売としてクーリングオフが認められない場合でも、不当な勧誘を受けて契約した場合は、契約の取消しを検討できる可能性があります。
事実と異なる説明を受けた
例えば、次のような説明です。
実際には存在しない受講実績を示された
必ず収入が上がると説明された
いつでも無条件で解約できると言われた
全額返金されると説明された
実際には受けられない個別指導があると言われた
認定資格に公的な効力があると説明された
重要事項について事実と異なる説明を受け、それを信じて契約した場合は、不実告知による取消しが問題になる可能性があります。
将来の成果を断定された
次のような説明を受けた場合は、将来の不確実な利益について断定的な判断を提供されたとして、消費者契約法上の取消しを検討できることがあります。
「必ず成功できる」
「絶対に収入が上がる」
「この講座を受ければ人生が確実に変わる」
「経営者として成功することが保証される」
「受講料はすぐに回収できる」
単なる目標や意見として述べられた場合と、確実な結果として断定された場合は区別する必要があります。
不安をあおられた
消費者が抱えている仕事、収入、将来、人間関係などの不安を事業者が把握し、その不安をあおって契約が必要であると告げた場合は、消費者契約法上の取消しが問題になることがあります。
例えば、次のような説明です。
「今変わらなければ一生不幸になる」
「このままでは仕事も家庭も失う」
「受講しなければ成功する機会を永久に失う」
「あなたの考え方のままでは誰からも必要とされない」
「このプログラムを受けなければ人生は悪化する」
単に厳しい意見を言われたというだけでは足りず、法律上の要件を個別に確認する必要があります。
帰らせてもらえなかった
事務所、会場、マンションなどから帰りたいと伝えたにもかかわらず、退去を妨げられ、困惑して契約した場合は、消費者契約法上の取消しを検討できることがあります。
次のような記録を保存してください。
帰りたいと伝えた時刻
勧誘が続いた時間
担当者の発言
出入口の状況
同席者
録音やメッセージ
霊感・超自然的な説明を受けた
自己啓発セミナーの中には、霊感、運気、カルマ、先祖、エネルギーなどを用いて不安をあおるものがあります。
例えば、次のような説明です。
「悪い霊がついている」
「先祖の因縁が成功を妨げている」
「この講座を受けなければ不幸が起こる」
「特別な能力で将来の危険が見える」
「高額なプログラムを受ければ災いを避けられる」
このような説明を受けて契約した場合は、霊感等による知見を用いた告知に関する消費者契約法上の取消しを検討できる可能性があります。
上位コースへの勧誘も別契約として確認する
自己啓発セミナーでは、最初に低額または無料の体験会へ参加し、その後、段階的に高額なコースへ勧誘されることがあります。
例えば、次のような流れです。
無料説明会
数千円の体験セミナー
数十万円の基礎コース
数百万円の上位コース
認定講師・指導者コース
それぞれが別個の契約である場合は、契約日、契約書面の受領日、勧誘方法などを契約ごとに確認する必要があります。
最初の契約について期間が過ぎていても、後から契約した上位コースは期間内である可能性があります。
複数の契約をまとめて考えず、契約書、領収書、決済記録を分けて整理しましょう。
返金保証がある場合
販売ページや説明会で、次のような返金保証が案内されていることがあります。
全額返金保証
満足できなければ返金
成果が出なければ返金
○日間返金保証
無条件解約保証
返金保証がある場合は、その条件を確認してください。
例えば、次のような条件が設定されていることがあります。
すべての講義へ参加すること
指定された課題を提出すること
一定期間内に申請すること
所定のフォームから申請すること
個別面談を受けること
成果が出なかったことを報告すること
広告では簡単に返金を受けられるように表示しながら、契約後に説明されていない厳しい条件を示された場合は、広告や勧誘時の説明が問題になる可能性があります。
広告、申込画面、パンフレット、メッセージなどを保存してください。
消費者金融やカードローンを勧められた場合
高額な自己啓発セミナーでは、受講料を支払えない参加者に対し、借入れを勧めるケースがあります。
例えば、次のような対応です。
消費者金融を紹介された
複数の貸金業者へ申し込むよう指示された
スマートフォンで借入申込みをさせられた
年収や借入目的を偽るよう言われた
クレジットカードの限度額を引き上げるよう言われた
「自己投資なので借金してでも受けるべき」と言われた
「成功すればすぐに返済できる」と説明された
セミナー契約を解除または取り消した場合でも、消費者金融との借入契約が当然に消滅するとは限りません。
返済を自己判断で止めず、消費生活センターや弁護士への相談も検討してください。
借入れを指示されたLINE、録音、申込画面、振込記録などを保存しましょう。
クレジット会社・信販会社にも通知しましょう
自己啓発セミナーの受講料について、クレジットカード、信販会社、ショッピングローンなどを利用している場合は、販売会社だけでなく、クレジット会社にも通知することをおすすめします。
次の情報を確認してください。
セミナー運営会社
セミナー・講座名
契約年月日
契約金額
クレジット会社名
クレジット契約番号
支払回数
既払金
カード利用日
利用明細上の名称
通常のクレジットカード払いでは、カード会員契約そのものをクーリングオフするのではなく、販売契約をクーリングオフしたことをカード会社へ知らせ、請求や返金処理を確認します。
事業目的の契約は対象外となる場合があります
自己啓発セミナーが、経営者研修、営業研修、認定講師養成などとして契約された場合、特定商取引法上の事業者間取引に当たるかが問題になることがあります。
営業のため、または営業として締結した契約には、特定商取引法が適用されない場合があります。
ただし、次の事情だけで当然に対象外となるわけではありません。
将来独立したいと思っていた
副業に興味があった
個人事業主になる予定だった
契約書に事業目的と記載されている
主催者から経営者向けだと説明された
職業欄に自営業と記載した
実際の事業との関連性、契約者の経験、営業実態、契約目的、勧誘内容などを個別に確認する必要があります。
また、仕事を提供すると誘引された業務提供誘引販売取引では、収入目的の契約であってもクーリングオフが認められる可能性があります。
自己啓発セミナーのクーリングオフ方法
クーリングオフ対象となる場合は、書面または電子メールなどの電磁的記録によって通知します。
電話だけでは、通知内容や通知日を証明しにくいため、電話だけで済ませないようにしましょう。
通知書には、一般に次の事項を記載します。
契約年月日
セミナー・プログラムの名称
契約金額
運営会社の名称
担当者名
契約を解除する旨
通知年月日
契約者の住所と氏名
支払済み代金の返還に関する事項
クレジット契約に関する事項
契約番号や申込番号
内容証明郵便で通知するメリット
クーリングオフ通知は、必ず内容証明郵便で送らなければならないものではありません。
電子メール、ハガキ、特定記録郵便などでも通知できます。
それでも、高額な自己啓発セミナーの契約では、配達証明付き内容証明郵便を利用するメリットがあります。
内容証明郵便を利用すると、次の事項を証拠として残せます。
いつ差し出したか
誰から差し出したか
誰宛てに差し出したか
どのような内容の文書を差し出したか
ただし、内容証明郵便は、契約がクーリングオフ対象であることや、記載した事実が真実であることまで証明する制度ではありません。
期限が迫っている場合は、内容証明郵便の準備に時間をかけすぎず、まず電子メールや専用フォームでも通知し、送信記録を保存してください。
クーリングオフ期間を過ぎた場合
適法な契約書面を受け取り、クーリングオフ妨害もなく、法律上の期間が経過している場合は、通常のクーリングオフは原則としてできません。
その場合は、次の制度を検討します。
契約書や利用規約に基づく中途解約
返金保証制度
不実告知による取消し
断定的判断の提供による取消し
不安をあおる告知による取消し
退去妨害等による取消し
恋愛感情等の不当な利用による取消し
霊感等による告知を理由とする取消し
民法上の詐欺、強迫、錯誤
事業者の債務不履行による解除
これらは、理由を問わず契約を解除できるクーリングオフとは異なります。
勧誘時の具体的な発言や契約内容を確認する必要があります。
相手方が解除・取消しを拒否している場合や、返金交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。
自己啓発セミナーの通知書作成を行政書士へ依頼するメリット
自己啓発セミナーの契約は、無料体験、交流会、個別面談などを経て、高額な上位コースへ進むことがあります。
行政書士へ依頼すれば、ご本人の意思に基づき、対象となる契約を特定した通知書を作成できます。
契約内容を通知書へ反映できる
契約年月日、講座名、契約金額、運営会社、クレジット会社などを通知書へ反映します。
感情的な文章を避けられる
講師や団体への批判を長く記載するのではなく、どの契約を解除するのかを明確に記載します。
内容証明郵便の形式を整えられる
文字数や行数など、内容証明郵便の形式に合わせて通知書を作成します。
発送まで任せられる
フルサポートプランでは、内容証明郵便の発送、配達証明の利用、謄本等の整理まで対応します。
公式LINEからクーリングオフ代行のご相談・ご依頼はこちら【相談無料】
フォンス行政書士事務所の料金
作成・発送代行フルサポートプラン:11,000円(税込)
通知書の作成から内容証明郵便の発送まで対応します。
契約書等の確認
通知書の文案作成
2回までの無料修正
ご本人による内容確認
行政書士名義・職印付きでの送付
内容証明郵便の発送代行
配達証明の利用
謄本と配達証明の整理
郵送料は別途必要です。
販売会社のほか、信販会社、クレジット会社、ローン会社にも送付する場合は、追加の送付先1社につき5,500円(税込)の文案作成費が必要です。
代表者・執筆者紹介

フォンス行政書士事務所
代表者・執筆者:行政書士 泉 翔嵐(いずみ つばさ)
自己啓発セミナーは、名称だけではクーリングオフの対象になりません。
一般的な店舗契約や通信販売は原則対象外ですが、販売目的を隠した呼出し、営業所等以外での契約、電話勧誘、仕事提供を条件とする契約、紹介報酬を伴う組織などでは、クーリングオフできる可能性があります。
フォンス行政書士事務所では、ご本人から伺った内容と契約書等をもとに、クーリングオフ通知書を作成します。
全国対応で、初回相談は無料です。
公式LINEからクーリングオフ代行のご相談・ご依頼はこちら【相談無料】
行政書士が対応できないケース
行政書士は交渉や紛争対応はできません。
行政書士が対応できるのは、ご本人の意思に基づく通知書の作成と発送です。
相手方がクーリングオフを明確に拒否している場合、返金交渉が必要な場合、取消原因をめぐって争いがある場合は、弁護士へ相談してください。
自己啓発セミナーのクーリングオフについてよくある質問
自己啓発セミナーはすべてクーリングオフ対象外ですか?
すべて対象外というわけではありません。
通常の店舗契約や通信販売は原則対象外ですが、訪問販売、アポイントメントセールス、電話勧誘販売、業務提供誘引販売取引、連鎖販売取引などに該当すれば、クーリングオフできる可能性があります。
無料セミナー後に高額コースを契約しました
開催場所、勧誘方法、無料セミナーの案内内容などによっては、訪問販売やアポイントメントセールスに該当する可能性があります。
無料セミナーの広告や申込画面を保存してください。
ホテルの会議室で契約しました
会場の営業実態や設備、開催期間などによっては、事業者の営業所等以外での契約として訪問販売に該当する可能性があります。
会場で契約したというだけで一律には判断できません。
カフェで契約しました
カフェなど、事業者の営業所等以外の場所で契約した場合は、訪問販売に該当する可能性があります。
勧誘経緯と契約場所を確認してください。
SNSで交流会へ誘われました
販売目的を告げられずに呼び出され、自己啓発セミナーを勧められた場合は、アポイントメントセールスに該当する可能性があります。
メッセージを保存してください。
受講後に講師の仕事を紹介すると言われました
主催者側が仕事を提供またはあっせんし、その仕事を行うために受講料を負担した場合は、業務提供誘引販売取引に該当する可能性があります。
対象となれば、クーリングオフ期間は原則20日です。
友人を紹介すると報酬を得られます
連鎖販売取引に該当する可能性があります。
紹介報酬、登録料、受講料、組織の仕組みを確認してください。
すでにセミナーを受講しました
法律上クーリングオフできる取引で期間内であれば、一部を受講しただけで当然にクーリングオフできなくなるわけではありません。
上位コースも契約しました
複数の契約がある場合は、それぞれの契約日、書面受領日、勧誘方法を確認します。
後から締結した上位コースだけが期間内である可能性もあります。
必ず成功できると言われました
将来の成果について断定的な説明を受けた場合は、消費者契約法による取消しを検討できることがあります。
録音、広告、メッセージなどを保存してください。
帰りたいのに帰らせてもらえませんでした
帰りたい意思を示したにもかかわらず退去を妨げられ、困惑して契約した場合は、消費者契約法による取消しを検討できる可能性があります。
消費者金融で借りるよう言われました
借入れを指示されたメッセージ、契約書、振込記録等を保存してください。
セミナー契約を解除しても、消費者金融との借入契約が当然に消滅するとは限りません。
行政書士に返金交渉も依頼できますか?
できません。
行政書士が対応できるのは、ご本人の意思に基づく通知書の作成と発送です。
返金交渉や紛争対応が必要な場合は、弁護士へ相談してください。
自己啓発セミナーは原則対象外|勧誘経緯と契約構造を確認しましょう
自己啓発セミナーは、特定継続的役務提供として指定されたサービスではありません。
消費者が広告を見て自ら申し込んだ通常の店舗契約や通信販売では、特定商取引法上のクーリングオフは原則として認められません。
一方、次のような場合は、クーリングオフできる可能性があります。
販売目的を告げられずに会場や事務所へ呼び出された
無料体験や交流会から高額契約へ誘導された
カフェやホテルなどで契約した
電話で高額なセミナーを勧められた
受講後の仕事や案件提供を条件にされた
他の参加者を紹介すると報酬を得られる仕組みだった
アポイントメントセールス、訪問販売、電話勧誘販売であれば原則8日以内、業務提供誘引販売取引や連鎖販売取引であれば原則20日以内です。
自己啓発セミナーという名称だけで判断せず、次の事項を確認してください。
どのようにセミナーへ誘われたか
販売目的を事前に告げられていたか
どこで契約したか
無料セミナーの案内に高額契約の説明があったか
仕事や収入を提供すると言われたか
他人の紹介による報酬制度があるか
法律で定められた契約書面を受け取ったか
クレジット会社への通知も必要か
フォンス行政書士事務所では、ご本人の意思に基づく自己啓発セミナーのクーリングオフ通知書について、作成・発送代行を行っています。
作成・発送代行フルサポートプラン:11,000円(税込)
全国対応
初回相談無料
自己啓発セミナーの契約をクーリングオフしたい方は、契約書、広告、申込画面、LINE、電子メールなどの記録を添えて公式LINEからお問い合わせください。