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ホームkeyboard_arrow_rightコラムkeyboard_arrow_right【文例付き】遺言書の書き方を行政書士が解説│自筆証書・公正証書の違いと注意点【完全版】
2026.04.12

【文例付き】遺言書の書き方を行政書士が解説│自筆証書・公正証書の違いと注意点【完全版】

【文例付き】遺言書の書き方を行政書士が解説│自筆証書・公正証書の違いと注意点【完全版】

このページでは、遺言・相続の専門家である行政書士が遺言書の書き方についてわかりやすく徹底解説していきます。このページを最後までご覧になることで、遺言書作成に関する基本的なことが理解できるようになっています。

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遺言書とは?まずおさえたい基本

遺言書とは

遺言書とは、自身の死後に法的な効力を発生させる目的でする単独の意思表示を、民法上の方式に従って書面化したものを指します。

ここで重要なのは、法律で決められた方式でなければ無効になってしまうということです。

遺書やエンディングノートとは異なり、法的な効力が発生するため、様々な要件が設けられています。これを知らずに書いてしまうと、意図せず無効になってしまうため、注意が必要です。

遺言書を書く目的は争族をさけるため?

遺言書を書く目的というと、相続トラブル、いわゆる争族を回避するためというイメージがあります。実際に相続トラブルを防ぐために遺言書の作成は非常に有効です。被相続人が自分の意志を明確に生前に残しておくことで、相続したご家族も本人の意志を知ることができ、相続財産の分配や処分の方法などで揉めるリスクを軽減することができます。

また、相続トラブルになるケースは必ずしも財産が多い場合だけではありません。相続争いの3割は遺産が「1000万円以下」というデータがあります。財産が多くないから、相続トラブルに無縁という訳では無いので、遺言書の作成はその意味でも重要です。

その他の遺言書を書く理由

争族を避けるため以外にも、遺言書を書く理由は様々あります。

例えば、近年多いのがペットの面倒を誰かに頼みたいというものです。自身がなくなった後、愛犬や愛猫の面倒と、その世話にかかる費用を面倒をみてくれる人に遺すため、遺言書を書くと言うケースがあります。

他にも、「お世話になった人に財産を渡したい」というのもあれば、逆に「財産をなるべく渡したくない人がいる」といったものもあります。

より具体的なケースでは、「独身の方で配偶者も子どももおらず、いわゆるおひとり様だが会ったこともない人に相続されるくらいなら、どこかに寄付したい」といった理由で作成される方もいます。

このように、遺言書を書く理由は多岐にわたります。

遺言書でできること・できないこと

遺言書では、だれに財産をどのくらいどのように分配するかを決めることができますが、全て遺言者の思い通りにはできない点に注意が必要です。

例えば、負債をだれに相続させるかは書くことができますが、債権者に主張(対抗)することはできません。「長男のみに負債を相続させる」と書いたとしても、債権者は法定相続人全員にその相続分にしたがって債務の支払いを請求することができます。

その他に、遺留分についても注意が必要です。遺言で「次女に全財産を相続させる」と書いたとしても、他の子どもや配偶者には遺留分というものがあり、一定額の遺産の分配を裁判所に請求することができます。

これを遺留分侵害額請求権といい、遺言書でこの権利を制限することは原則としてできません。

また、遺言書があったとしても、遺言書と異なる遺産分割協議が法定相続人全員の間で成立すれば、その遺産分割は有効になります。

遺言書があるからといって、絶対その通りに遺言が執行されるわけではないということは知っておいたほうが良いでしょう。

遺言書の種類

利用されることの多い遺言書は大きくふたつあります。公正証書遺言と自筆証書遺言です。一応他にも秘密証書遺言や危急時遺言といったものも存在しますが、一般的ではなく利用者もほぼいないため、ここでは割愛します。

自筆証書遺言とは

一般的にイメージされる遺言書がこの自筆証書遺言です。

自筆証書遺言はその名の通り、自分の手で書くことが条件になっています。PCでワードなどを利用し作成することは認められていません。全文自筆する必要があります。

自筆証書遺言の書き方については後ほど詳しく説明しますが、そのメリットは手軽さ費用がかからないことです。手元にある紙とペンで作成することができますし、専門家に作成を依頼しない場合、費用は一切かかりません。ただ、注意点や無効のリスクはあるので、作成にあたっては慎重になる必要があります。

公正証書遺言とは

公正証書遺言は、自筆証書遺言と異なり、公証役場に行き口述して作成する遺言書です。そのため、自分の手で記載するということはありません。

公正証書遺言のメリットは、無効になるリスクが極めて低いことです。この点からも、当事務所では基本的に公正証書遺言をオススメしております。

公証人と呼ばれる専門家とともに文案を作るため、その形式が要件を満たさず無効になるということは基本的には考えにくいです。また、内容についても専門家とともに起草した文案になるため、自筆証書遺言に比べ安心感は高いと言えます。ただし、公証人の役割はあくまで遺言者の意思を法律上有効な形で公正証書にすることであり、その内容について相談できるわけではありません。

内容面など相談したい場合は、行政書士などの専門家に相談することが推奨されます。

デメリットとしては、公証役場に行く手間と、手数料がかかることです。

財産の価額に応じ、一定の手数料を公証役場に支払う必要があります。証人を手配する場合は、その日当もかかります。健康上の理由などで公証人に出張して貰う場合はその費用もかかります。行政書士などの専門家に依頼する場合も、自筆証書遺言に比べやや割高になる傾向にあります。

なお、令和7年10月からスタートした公正証書遺言のデジタル化については別ページで解説しておりますので、そちらをご覧ください。

自筆証書遺言と公正証書遺言どちらを選ぶ?

基本的には、公正証書遺言のほうがおすすめです。

遺言書を書く以上、無効になってしまっては元も子もないですし、費用も高額ではないためです。どうしても費用を抑えたいなら、自筆証書遺言を選択肢にしてもよいでしょう。

遺言書を書く前に準備しておきたいこと

遺言書を書くにあたっては、事前の準備が重要になります。ここでは、事前準備の内容とそのやり方について解説していきます。

相続人を確認する

まず、だれが相続人になるのかを確認しましょう。法定相続人と、法定相続分を確認し、それを変更したい場合は遺言書を書く必要があります。自分の家族関係を整理してみましょう。

そのために戸籍を取ることも有効です。戸籍については本籍地で取得することができますが、広域交付制度や、マイナンバーカードによるコンビニ発行を活用する簡単に取ることができます。

相続人になるかどうかわからない親族がいる場合は、行政書士などの専門家に相談し、確認するようにしましょう。

財産を整理する

自分の相続される財産を紙などに一度書き出してみましょう。

検討すべき財産として

  • 現金

  • 預貯金

  • 家やマンションなどの不動産

  • 自動車

  • 株式などの証券

  • 美術品や宝石類など実物資産

  • ゴルフ会員権など

が挙げられます。

また、相続人は負債についても相続することになるため

  • 家のローン

  • 奨学金

  • クレジットカード残高

のような負債も確認しておきましょう。

より正確に確認した場合は、銀行の残高証明書を取ったり、不動産の登記事項証明書や固定資産税評価額証明書などを取得してもよいでしょう。

だれに何を承継させるか決める

相続人と財産が確認できたら、だれに何をどのくらいどのように分配するかを決めていきましょう。

いきなり書くのではなく、メモ書きなどに整理してみてもよいかもしれません。

辻褄が合うように、遺産の割り振りを決めていきます。

遺留分か配慮が必要か確認する

自分の決めた財産の割り振りが、遺留分と衝突していないかを確認しましょう。

相続トラブルを防ぐために遺言書を書いたのに、それが遺留分を侵害するものであったため、それが原因で相続人が苦労することになっては本末転倒です。

例えば、「次女のみに全財産を相続させる」といった内容の遺言書も作成すること自体はできますが、基本的には避けたほうが良いでしょう。少なくとも、遺留分と衝突しているかどうかを理解したうえで書くようにしてください。

自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言のメリット

自筆証書遺言のメリットは費用がかからないことです。法務局保管制度を利用する場合でも、3900円が手数料でかかるのみなので、安価に相続対策をすることができます。

自筆証書遺言のデメリット

自筆証書遺言のデメリットはリスクがあることです。例えば、要件を満たさず無効になるリスクが挙げられます。行政書士などの専門家に依頼することでリスクは低減することができますが、やはり公正証書遺言のほうが無効リスクは低いと言えます。

他には紛失や、遺言書が見つからないといったリスクです。遺言書を書いたという事実を知らず、もしくはその事実を知っていてもどこにあるかわからないため、遺言書の内容と異なる遺産分割がなされてしまう可能性があります。

後ほど解説する法務局保管制度の利用がおすすめです。

自筆証書遺言の要件

自筆情緒遺言が法的に有効であるためには、いくつかの要件を満たしている必要があります。

1つ目が、全文自書されていることです。PCなどで作成することは認められていません。

なお、遺言書に添付する財産目録に関しては、PCなどで作成することが認められていますが、記載のある全ページに自筆の署名と押印が必要です。

2つ目が日付が記載されていることです。無効になるパターンで多いのが「〇月吉日」のように書いてあるものですが、これは無効になるため、書いた日付を正確に記すようにしてください。

3つ目が、署名と押印が全てのページになされていることです。

署名に関しては自筆であることが要件になっています。

押印は認印でも可ですが、基本的には、信頼性を高めるという意味でも、実印を使うことが強く推奨されます。

財産の書き方

具体的な財産については、本文中に記載してもよいですし、財産目録を添付する形でそこに記載しても構いません。

口座が複数ある場合や、財産が不動産や車など多岐に渡る場合は、全て自分で書くのは大変になるので、財産目録を添付する方式が負担が少ないためおすすめです。

相続させる相手の書き方

法定相続人にあたる場合は、「〇〇に相続させる。」

法定相続人に当たらない場合は、「□□に遺贈する。」

と書くのが一般的です。

この際、相続人や受贈者を特定できるよう、氏名だけでなく住所や生年月日を記載するようにしましょう。

付言事項の書き方

遺言書には、付言事項というメッセージを最後に記すことができます。

遺言書を書くに至った理由や、親族やお世話になった人への感謝、なぜそのように財産を分けることにしたのかなどを書くことが多いです。

なるべく、恨みつらみやマイナスのことは書かないようにしましょう。その遺言書が希望通りに執行される可能性を下げるばかりか、トラブルの原因になります。

自筆証書遺言の文例集

基本の文例

自筆証書遺言の基本の文例です。

遺言書

遺言者〇〇 〇〇は、次のとおり遺言をする。

第1条 遺言者の相続人は、妻・□□ □□(昭和◯年◯月◯日生)、長男・△△ △△(平成◯年◯月◯日生)の2名である。

第2条 遺言者は、次の不動産を妻・□□に相続させる。

(1)土地

   所在 〇〇県〇〇市○○町◯丁目

   地番 ◯番◯号

   地目 宅地

   地積 〇〇平方メートル

(2) 建物

   所在 〇〇県〇〇市○○町◯丁目

   地番 ◯番◯号

   地目 宅地

   床面積 〇〇平方メートル

第3条 遺言者は、次の預貯金を、妻・□□と、長男・△△に2分の1ずつ相続させる。

〇〇銀行〇〇支店 普通預金

口座番号 〇〇〇〇〇〇

口座名義人 遺言者〇〇 〇〇

第4条 遺言者は、次の車を友人・◆◆ ◆(昭和◯年◯月◯日生)に遺贈する。

登録番号 〇〇

種別 普通

用途 自家用

車名 〇〇

型式 〇〇

車体番号 〇〇

第5条 遺言者は、前項までに記載した以外の相続財産に関しては、妻・□□に相続させる。

付言事項

生前はお世話になりました。

妻にこの家を引き継いてほしいので、家は妻に相続させることにしました。

預貯金については均等に分け、これからの生活のために使ってください。

車のことで世話になったので、大事な愛車は親友の◆に遺贈したいと考えています。

みんなには私が亡き後も仲良くしてほしい。

私が亡き後、この遺言の内容どおりに、速やかに実行されることを切に願う。

令和◯年◯月◯◯日

〇〇県〇〇市〇丁目◯番◯号

遺言者 〇〇 〇〇 印

その他の文例1 ペットを託す場合の文例

第◯条 遺言者は、次の犬と猫を長女・□□に相続させる。

犬種 ダックスフンド

性別 オス

名称 ジョン

猫種 マンチカン

性別 メス

名称 ミャオ

その他の文例2 遺言執行者を指定する場合の文例

第◯条 遺言者は、遺言執行者として、次の者を指定する。

住所 東京都〇〇区〇〇町〇〇丁目◯◯番〇〇号

職業 行政書士

氏名 ◆◆ ◆◆(平成◯年◯月〇〇日生)

自筆証書遺言の保管

遺言書は仏壇や金庫などに保管されることが多いですが、なるべく見つかりやすい場所に保管し、どこにあるかも相続人に伝えておくとよいでしょう。

なお、銀行の貸金庫は避けたほうが良いです。遺産分割協議後でないと相続人が開けられない可能性があるためです。

法務局保管制度の活用の検討を

法務局保管制度は、法務局が遺言書を保管し、遺言者が亡くなった後、あらかじめ定められた方に遺言書の存在が通知される制度です。

紛失のリスクもないですし、3900円の手数料で利用することができ比較的安価と言えます。

ただし、保管に際しては所定の要件を満たした用紙に記載する必要があるため、必ず確認するようにしてください。

公正証書遺言のメリット・デメリットと作成の流れ

公正証書遺言は、公証役場で公証人と証人2名の前で口述することで作成される遺言書です。事前の公証役場への予約や、相談が必要になります。

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言は、公証人という文書のプロが作成するため、形式面で無効になるリスクが極めて低いことが特徴です。安心な遺言書を作成したい場合、推奨される形式となります。

公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言のデメリットは費用がかかることです。

財産価額に応じ、公証役場に手数料を支払う必要があります。

また、証人の準備を公証役場に頼む場合、また別に日当がかかります。

行政書士などの専門家に依頼する場合も、専門家報酬がやや高くなる傾向にあります。

①事前に公証人との打ち合わせが必要

ここからは公正証書遺言の作成の流れについて説明していきます。

例えば、いきなり公証役場に行っても対応してくれることはありません。

事前に電話などで連絡し、打ち合わせの予約を取ってから、メールやFAX等でどのような遺言内容にしたいかなどの連絡・調整が必要になります。

②遺言者と証人2人が公証役場に行く

2名の証人は自身で用意してもよいですし、行政書士などの士業者に依頼したり、あるいは公証役場に手配を依頼することもできます。自身で用意する場合は、遺言内容を聞かれてしまうので、信用できる人物を選ぶ必要があります。

なお、

未成年

推定相続人、受遺者、それらの配偶者と直系血族

公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人

は証人になることができません。

③公証人からのインタビュー

遺言者は、公正証書遺言の内容を読み上げ、また公証人から意思確認を受けることで、本人の意志に基づくものか確認されます。

④公正証書遺言の完成

公証人が同じ公正証書遺言を三通作成します。

1通が原本として公証役場に、2通が正本・謄本として遺言者に渡されます。

手数料は?

公正証書遺言作成にかかる手数料は次のとおりです。

目的の価額

手数料

50万円以下

3000円

50万円を超え100万円以下

5000円

100万円を超え200万円以下

7000円

200万円を超え500万円以下

13000円

500万円を超え1000万円以下

20000円

1000万円を超え3000万円以下

26000円

3000万円を超え5000万円以下

33000円

5000万円を超え1億円以下

49000円

1億円を超え3億円以下

4万9000円に超過額5000万円までごとに1万5000円を加算した額

3億円を超え10億円以下

10万9000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算した額

10億円を超える場合

29万1000円に超過額5000万円までごとに9000円を加算した額

これに加え、証人の手配料が5000円~10000円ほどかかります。詳細は公証役場に確認するようにしてください。

行政書士に相談できること

行政書士は国家資格者であり、遺言・相続のプロフェッショナルです。

本記事を参考に遺言書を作成することもできますが、安心して遺言書を作りたい場合は、やはり専門家に一度相談されることをおすすめします。

当事務所では、自筆証書遺言の作成44,000円~、公正証書遺言作成88,000~より承っております。

初回相談無料ですので、安心して相談することができます。

ここまでお読みになり、遺言書の作成をご検討されている方はぜひ一度当事務所までご相談ください。

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